アメリカ大統領選挙とマスメディア

 アメリカの大統領選挙が終わり、民主党のバイデン氏が次期大統領に決まる結果となりました。でもトランプ大統領は、「選挙に不正があった」としてそれを認めない状況が続いています。そして、12月14日に「538人の大統領選挙人による投票が行われた結果、バイデン氏が306票、トランプ氏が232票となり、バイデン氏の当選が確定した。」とマスメディアは繰り返し報道しています。

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え? 大統領選挙人の再投票により当選が確定? 何言ってんの?

 アメリカの大統領選挙は間接選挙の形をとっており、国民が大統領選挙人を選び、大統領選挙人が大統領選挙を行います。アメリカという国ができてすぐのころは、字の書けない人や政治のことが全くわからない人も多く、国民は自分の代わりに賢い人に投票を託したのですが、現在は大統領選挙人があらかじめ誰に投票するか公言して立候補するので、大統領選挙人を選ぶ=大統領を選ぶことになります。

 そしてトランプ支持者が「不正があった」と訴えているのは、大統領選挙人を選ぶ一般国民の選挙です。選ばれてしまった大統領選挙人の投票を何度やっても無意味なのに、なぜこんなに幼稚な話のすり替えかおこるのでしょう。

 そして、一般国民が大統領選挙人を選ぶ選挙ですが、例えばミシガン州では投票率が350%であったとか、ペンシルベニア州ではどこから来たかわからない郵便投票が112万票あったなどの不正を、アメリカの保守系のメディアは伝えているそうです。ジョージア州のフルトン郡では、机の下に投票用紙の入ったスーツケースが4つあり、選挙監視員が退去した後取り出して票がカウントされていることが監視カメラに映し出されていたそうです。 これらのことは自分が見たわけではないですし、それらの不正が選挙結果を左右する規模のものであるかはわかりません。そして、私はトランプ大統領の支持者でもありません。でも、とても気持ち悪いのは、そうした情報が主要メディアで全く報道されないことです。

 アメリカでは、ウィルソン大統領の時代にスパイ活動法が改正され、戦争中にアメリカ政府を批判する報道を行うことに刑事罰が科されるようになりました。このスパイ防止法を、オバマ政権はかなり活用したそうです。(『失われた報道の自由』マーク・R・レヴィン)そしてそのせいか、現在アメリカのジャーナリストは民主党支持者が28.1%であるのに対し、共和党支持者は7.1%しかいないという調べがあります。 また、日本の大手メディアは、ニューヨークタイムズやCNNといった民主党支持の報道に依存しそのとおり流すだけの状況が続いているそうです。 

 一人ひとりが情報リテラシーを高めなくてはならない、という当たり前の言葉を「本当だなあ」と思う一方、大手メディアも嘘の報道はやめてほしいと、危機感をもって思う今日この頃です。