消費税増税は必要なのか?

 東北大地震は、原発事故まで伴い、かつてない大惨事でした。関西人である私はこんなにぬくぬくしているのが申しわけないという気持ちでいっぱいです。保有していた東京電力の株式大暴落で損失をこうむっていることでちょっと気が休まっています。でも、被災された方のご苦労に比べると到底被害と呼べるほどのものではありませんね。
それにしても気になるのが、この後の補正予算、そしてさらなる財政赤字拡大です。このどさくさに紛れて消費税増税が待っているのではないか、ということも懸念されます。
菅首相は就任後消費税増税を幾度となくちらつかせてきました。そして、内閣改造で増税派の与謝野氏を大臣に起用したのは、まさに本気で増税に踏み切るサインと言われていました。  でも、消費税増税は本当に必要なのでしょうか。

 確かに、日本の財政赤字は世界最高水準に達しています。日本の長期債務残高は2010年度末でGDP比の約1・8倍に達しています。あのギリシアを上回る値で、まさにのっぴきならない状態ではあります。でも、財政赤字解決は増税しかないのでしょうか。

 財政赤字解消の方法は、大まかに分けて三つあります。それは、1景気拡大による税収増 2増税 3歳出抑制 です。まず、現政権は景気拡大策を行ったでしょうか。景気拡大のためには消費や投資がさかんになる必要があるのですが、家計を潤すことによる消費拡大ももくろんだ子ども手当は、半分は銀行に預金されあまり消費にまわりませんでした。企業も先行き不透明感から投資を渋っています。政治主導で日本経済のあるべき道筋をつけることによって、また将来不安を解消することによって企業や家計は投資や消費を増やし景気が活性化するはずなのですが、政府はバラマキと中途半端な法人税率引き下げや証券税制優遇の延長以外、これといった手立てを講じていません。国民に安心や希望を与え消費・投資マインドを盛り上げることに全く成功していません。 金融緩和も、そのスピード感のなさが歯がゆいです。アメリカではリーマンショック後、狂ったようにドル紙幣が刷られる無節操な金融緩和策がとられました。真似する必要はないとは思いますが、日本の金融緩和は規模が小さいのはともかくとして、逐次投入型で素早さに欠けます。そのため日本だけがデフレから脱却できずにいます。

 そして歳出抑制の不十分さはいうまでもありません。不要な公共事業や人件費削減などの歳出削減努力は「もういい」というところまでやったとは到底言えません。一旦とりやめになったダム建設の「中止を中止する」茶番劇はあきれたとしか言いようがありません。公務員の給与も民間企業に比べると優遇されている面が多いと思います。行政に携わる方々のご苦労は甚大なものであるとは思いますが、一般企業は会社が赤字なら社員の所得は減ります。官公庁も、日本の財政が健全化するまでは、人事院勧告を超えた給与削減等あっても良いのではないかと思います。 増税の前にやるべきことは多すぎです。