日本vs中国 どちらがより「悪い国」??

 農薬入り中国製キョーザ事件、チベットに対する弾圧など、中国批判が世間を賑わせています。以前から総理大臣の靖国神社参拝に対するクレーム、日本との中間線付近でのガス田開発など、中国政府は日本の主権を否定するかのような言動が多く、保守的立場の人々の非難の対象となっていました。でも最近は、政治に興味のなかった人びとまでが感情的に中国を嫌う傾向が強まっています。ちょっと頭を冷やして、両国の関係を考察してみましょう。

 日本は中国文化の影響を受けて進歩した国です。日本は今でも母国語の表記に漢字を使う国であり、中国伝来の大乗仏教国です。遣隋使や遣唐使は多少の貢物くらいは中国王朝に献上したかもしれませんが、日本が中国から教えてもらったものの価値はその数千倍以上でしょう。中国は日本にとって気前の良い姉兄といったところでした。律令も中国の真似、江戸幕府の幕藩体制も中国の朱子学を理論的裏づけとしていました。江戸末期にその尊敬すべき兄である中国がアヘン戦争に敗れた後も、江戸の学者たちは「東洋道徳、西洋芸術」つまり「西洋の技術はすぐれているが、道徳は中国の儒学がいい。」と考えました。

 しかし、明治以降西洋かぶれしてしまった日本は、悲しいことに中国を尊敬しなくなりました。啓蒙思想家、福沢諭吉先生すら「脱亜入欧」を唱え出しました。日本は、恩知らずにも朝鮮、中国を攻撃するに至ったのです。皆さんは歴史の時間に『対華二十一か条の要求』を習ったはずです。日清戦争、日露戦争と勝ち進んだ日本は、中国の主権をないがしろに、ドイツやロシアから中国の権益を奪ったのです。ひどい!!!

 でも、その後日本は第二次世界大戦で連合国に破れ、おとなし~い国になりました。そうなると中国はざまあみろと、日本をこきおすことに力を入れ、さまざまなでっちあげまで国民に教えはじめたのです。日本は連合国運に敗戦したのではない、日本は中国共産党に負けたのであるとか。南京大虐殺で日本兵に殺された中国人について根拠のない数字をあげ、日本が同意しないと「日本の歴史認識は間違っている」と言う。今度は中国のほうが無茶苦茶ではないですか。

 さて、日本と中国はどちらがより悪いでしょうね。結論ですが、過去の出来事もトータルすると日本がより悪いですね。ただ、中国共産党は日本の支配から中国国民を解放したことに支配の正統性を唱え、反日感情をあおって中国人をまとめようとしているところがずるいし情けないという気がします。日本は、自らの誤りも認めるべきですが、中国の悪い点もしっかり認識し、同じ間違いを避けることが重要かと思います。農薬入りギョーザは何だか「中国製」が強調されすぎという気がしませんか。中国パッシングが盛んになることにより年金問題への批判が弱まった感がないでしょうか。北朝鮮の拉致問題はどうなったのでしょう。サブプライムの損失についての正確な報道がなぜもっと強く求められないのでしょうね。日本と中国両国とも、大切なのはレベルの低い感情論を捨てることだと思います。両国とも、アジアの指導者としての風格をもう少し高めていってほしいものです。